今では東京湾の大人気釣種となっているテンヤタチウオ=テンタチ。佐々木も例にもれずハマっている1人です。
24年7月にはじめ、1年が経ち安定して船上位の釣果を挙げられるようになってきました。
この記事で”最初の1本”までの最短ルートを具体化します。
なお本誌は東京湾テンヤタチウオの記事となりますこと、ご理解ください。
はじめに~テンヤタチウオの魅力とは?~

テンタチの魅力はゲーム性の高さだと断言します。
40・50号のオモリと針が一体化したテンヤにイワシをつけるシンプルな仕掛け。
故にダイレクトにアタリを感じ魚と駆け引きができる。
更には釣れる魚が大きい。
これはハマっちゃいます!是非皆さんにも楽しんでいただきたい釣り物です。
テンタチのシーズンについて
いまでは1年中出している船宿さんもあるテンヤタチウオですが、トップシーズンは年に2回あります。
シーズンその1:8月の夏タチ
もともと、タチウオのトップシーズンといわれている8月頃の夏タチです。
この時期になると中型メインで数多くアタリがあり、テンヤでもトップ釣果30-40が見込めます。
水深も浅い(30-40m)ことが多く、アタリ数が多い=初心者でも釣れるチャンスがあり、佐々木自身初チャレンジは7月の走りの夏タチでした。
シーズンその2:年末ごろの冬タチ
年末年始頃になると良型メインで釣ることができます。
水深こそ深い(60m)ことがありますが、夏と遜色なく当たる日もあることからシーズンといってもいいのでは?と思っています。
タックル選びの基本

ここではテンタチのタックル(竿・リール・ライン)について書いてみます。
竿(ロッド)の選び方
ズバリ、82調子のエントリーモデルでよいので専用ロッドを購入し臨んでみてください!
テンタチは64~91と様々な調子がありますが、
73・64調子:柔らかくテンヤのアクションがやりにくい
91調子:掛けバラシが発生する可能性がある、テンヤがぶれる
ためオーソドックスな82調子をオススメします。
柔らかすぎると何をしているか分かりにくくなるため、まずは82~91のオーソドックス~硬め調子で始めることをオススメします。

柔らか目ゲームロッド・カワハギロッドは控えたほうがいいです。
特にカワハギロッドの場合、強度不足で破損のリスクも高く、お持ちでない場合船宿さんより貸し竿を貸していただくことをオススメします。
リールの選び方
手巻き・両軸ともにPE1.5号が150~200m入るものであればOKです。
それぞれのメリットデメリットを記載します。
メリット | デメリット | |
手巻きリール | ・軽いため1日を通して誘い続けられる ・潮の変化・魚の引きに合わせるなど状況変化に強い ・キャストの飛距離を出せる | ・回収時疲れる |
電動リール | ・低速巻きを確実にこなせる ・水深深くても手返し良く釣りができる ・誘いが安定する | ・状況変化がつかみにくい |
個人的には手巻き一択です。
タックル自重が軽くなり1日を通して疲れにくい、潮境が分かりやすい、タチウオの引きに対し調整しやすい、キャストの飛距離が出せる、など手巻きだからこそのメリットを感じているためです。
もちろん電動で釣りをされる方も多く、これは好みです。

スティーレPGがベストマッチです。剛性あり・軽量・PE1.5号が150m入るラインキャパ、ドラグ力も十分と大満足です。
ラインの選び方
既述の通り、テンタチの場合PE1.5号が標準となります。
船宿さんによっては2号でも許可されますが、オマツリリスクを下げるため1.5号が基準になる船宿さんがほとんどかと推測します。
またテンタチにはリーダーが必須になります。
フロロカーボン8号前後を2~3m、任意のノットで結んでください。
結ぶ際、リーダーの長さ分本線PEをカットすると、タナ取りがやりやすくなります。
なおささきは7号を3m、FGノットで結んでいます。

タチウオは高切れが起きる釣り物です。予備スプールや予備ラインを持っていくことで1台しかお持ちでなくても心配なく釣りができると思います。
自分はスティーレ101PGを2台、予備スプール1つを持っていきます。
テンヤの選び方

魚との接点になるテンヤは非常に重要です。
餌釣りだがルアー釣りの要素もあるテンヤのため、カラーローテーションが必要になります。
まずはじめての方は
・ゼブラ系カラー:3つ
・ナチュラル系カラー:3つ
の6つを購入して臨んでみてください。

高切れのリスクもあるため5,6個は持ち込むと安心です。
実際は1個もロストしないことが多いですが、潮などでロストしないとは限らないので・・・
それでは購入するにあたりテンヤのカラーの考え方をまとめてみます。
フルグロー:アピール重視の場合に

テンヤ全体がフルグロー(夜光)のカラーです。
写真の通りテンヤ全体が光るのでかなりアピール力が高いです。
東京湾の場合、濁り潮など効果があると思っていますが、自分は先発というよりはスポットで投入するカラーの位置づけになります。
ゼブラグロー:スタンダードなカラー

各社最も多く出しているのでは?と思われるゼブラカラーです。
写真の通り、部分的にグローが入っており、一定のアピール力は残しつつボディの色でもアピールをするというカラーです。
個人的にはスタンダードカラーになっており、先発~抑えまでできる万能なカラーだと思っています。
ナチュラル系:低活性・澄潮時に有効

グローやケイムラ発光をしない、ナチュラルな色になります。
澄み潮時や食いが落ち着いてきたタイミングで投入したり、強いアピールがない故に先発として様子見をするのに使えるこちらも万能なカラーとなっています。
ケイムラ系:澄み潮時に有効

ナチュラル系ではあるものの、ケイムラ塗料が塗ってあり一定のアピール力があるのがケイムラです。
特に澄み潮や晴天時に強いと感じます。
いかがでしょうか。
簡単にまとめるとこんな感じですが、実際にはボディ形状・誘い・カラーなど複合的にアタリカラーは変わってきます。
自分に合うカラー・形状があるので、実釣時ローテーションして自分だけのアタリテンヤを見つけてみてください。
釣り方の基本
テンタチの釣り方は色々あり迷ってしまいます。
というか最初は分からないと思います、事実ささきも分かりませんでした。
なので、まずは以下の流れで釣ってみてください。
STEP1.指示棚下限まで落とす
まずはテンヤを指示棚下限まで落としてください。
30-40mといわれたら40mまで落とします。
STEP2.叩きながらリールを巻く
バットエンドを脇に挟み、叩きながらリールを少しずつ巻きます。
ルアーのワンピッチジャークを細かくやる形です。
10回叩いて2mくらい巻けているくらいのイメージです。
STEP3.止めてアタリを見る
2mほど誘ったら止めてアタリを見ます。
だいたい、3秒~5秒程度止めて、アタリがなければもう一度誘いに入ります。
止める際のワンポイントですが、穂先を下げないようにしましょう。
テンヤの姿勢が変わってしまいタチウオに見切られてしまうためです。
アタリは以下の2つに分かれます。
コツンと軽く当たる・・・継続して誘う
コツンと穂先や手元に来るアタリがあります。
それはタチウオが餌を噛んでいますが、本アタリではありません。
合わせたくなりますが我慢してもう一度STEP2から繰り返してください。
穂先がフッと持ち上がる・・・合わせる
止めた瞬間フッと竿先が持ち上がります。
それはタチウオが餌を加え持ち上げている状態=フッキングして掛かる状態です。
シャープに合わせを入れてください。
もし合わせて空振りをした場合でも、諦めずにSTEP2からやり直してください。
タチウオは必ず見ているので再度追ってきてくれます。
全体の流れをやっているのが以下の動画なので是非見てください!
STEP4.やり取りは落ち着いて
タチウオはかなり引く魚です。
やり取りはある程度ドラグを使いつつ、落ち着いてやりましょう。
とはいえ、泳がせすぎると両隣の方とオマツリしてしまうので、タチウオが引いた時だけドラグや竿でいなす、それ以外はしっかり巻くという形ですね。
STEP5.取り込みは竿を置いて両手で
最後の取り込みです。
ここが怪我をしない・させないために大事なポイントです。
取り込み時は竿を置いて、両手でリーダーをもってタチウオを抜き上げます。
竿で抜いてしまうと、竿の破損や空中バレした際、テンヤが両隣の方・船体に当たってしまいます。
必ず両手で抜き上げるようにしましょう。
釣り方で大事なこと
STEP1~3を繰り返すとアタリはもらえます。
とはいえ、いくつかポイントがありますのでまとめます。
ポイント1:しっかりテンヤを動かす
テンタチで大事なことは、しっかり叩いてテンヤを動かすことです。
テンヤが上下する動き・左右のフラッシング、2つの動きがありますが基本は左右に振れるフラッシングです。
そのためには・・・
投入前に、水面で叩いてテンヤがどう動いているかを見てください。
テンヤの頭がしっかり左右に振れている状態の叩きの強さ・スピードが分かると、特に夏タチの時期はアタリを多くもらえます。
ポイント2:しっかり餌をつける
餌付けは非常に大事です。
魚との接点のため、ここをおろそかにしないようにしましょう。

テンヤから尻尾分出るくらいにイワシをカットします。

またイワシはテンヤに対して真っすぐつけるようにしましょう。
ねじれていると海中で動きがおかしくなり、それが魚に違和感となるためアタリが遠くなる可能性があります。

塩焼きにして食べられるくらい綺麗に付けよう、と教わっています。
そのくらい丁寧につけましょう。
ポイント3:カラーローテーションをしましょう

タチウオたちは気まぐれです。
アタリの早いカラーが変わることも多いため、1人だけアタリが遠いなーと思ったらカラーローテーションをしていきましょう。
タックル以外の道具の基本
ここまで、タックルと釣り方をまとめました。
もちろんそれだけではなく、テンタチに必要な道具はあります。
一気に書いてみます。
ウェア:汚れてもいいものを着てください

餌のイワシの内臓・脂、タチウオの血などでテンタチはかなり汚れます。
そのため汚れてもいいウェアを着ていくようにしましょう。
このイージーケアがすごく自分はもっぱらこれを愛用しています。
簡単に汚れ落ちする動画です。
これすごくないですか!?
クーラーボックス:横長35L程度がオススメ

クーラーボックスは当然必須です。
タチウオは横に長い魚のため、横長かつキャスターがついているクーラーボックスがオススメです。
またサイズですが35L前後で十分です。
夏タチであれば50本程度は余裕で入りますし、冬の良型メインでも30本程度は入ります。

キャスター付きはマストです。
タチウオ+本体+氷が入った重量はなかなかのものです・・・
一時期キャスターなしを使っていましたが本当にしんどかったです・・・
大型キッチンバサミ
大羽イワシを任意の大きさに切るため、キッチンバサミが必要です。
もちろん百均のものでも十分です。
フィッシュグリップ
基本、釣れたらエラ付近をがしっと掴めばタチウオに噛まれることはありません。
しかし噛まれたら大出血は免れないので、フィッシュグリップがあると安心です。
バケツから飛び出した・クーラーボックスに移動する・写真を撮る、などあると便利な道具です。

イワシタッパーやバット

切ったイワシをクーラーに入れるとイワシ汁まみれになってしまうので、自分はタッパーに入れて保管しています。
またイワシを巻いたテンヤは船べりに置くと船が汚れてしまうので、必ずバットなどに乗せるようにしましょう。
テンタチやるにあたって注意点
最後に、テンタチをやるにあたっての注意点があります。
それは汚れはマメに落としましょう、ということです。
釣りに夢中になるとどうしてもイワシの汚れをそのままにしてしまいます。
が、それが乾いてしまうと滑って危ない&全然落ちず船体掃除が非常に大変になってしまいます。
マナーとして、マメに釣り座周りは流し綺麗に使いましょう。
最後に~テンタチは楽しいぞ!~

以上が簡単ではありますがテンタチで最初の1本をゲットするためのまとめでした。
ここにまとめた基本を実践するだけでまず1本を釣ることはできると思います。
しかしそのあと、数を釣る・打率を高める、となるとどんどんやることが出てきて、いわゆる沼にはまった状態になります(笑)
是非テンタチ沼にハマってみてください!